今回追加になった新機能「HDR撮影」。こちらはどの様な場面で有効なのでしょうか。検証したいと思います。
・検証環境
・ワーキングディスタンス:約400mm
・ワーク:
・ワーク容器:ダンボール
・カメラ解像度:SXGA(1280×1024)
・撮影条件:
- カメラのゲインについては、値を大きくするとノイズが発生し、点群品質に影響があるため全て「0」としています。
・作業用PCスペック
OS:Windows 10 Professional
CPU:Core i7-6500U 2.6GHz
Memory:8GB
内蔵ストレージ:SSD(SK Hynix SSD 256GB SATA6Gbps)
・検証結果
ワークは表面加工と色が大きく異なる2種類のネジになります。ワークの撮影風景は下図の様になっています。
まずは、黒色のネジに合わせて撮影設定を調整します。
黒色は光を反射し難いため露光時間、発光強度を高くし、明るく写る設定で撮影します。下図は明るい設定で撮影したワークの点群データになります。
銀色のネジは光を反射しやすい為、下図の赤枠の位置にハレーションが発生しデータが欠落しています。
今度は、ハレーションが発生しない程度の暗い設定で撮影します。下図は、暗い設定で撮影したワークの点群データになります。
ハレーションが発生していたネジ(銀)の赤枠の箇所はデータ欠落が発生しなくなりましたが、ネジ(黒)がある青枠の箇所のデータが大きく欠落しています。また、写っているネジ(黒)、ネジ(銀)の芯部分も一部欠けが見られます。
下図は、明るい撮影設定、暗い撮影設定の点群データのテクスチャを外した(データがある箇所は「白一色」)図になります。お互い苦手としている、箇所が良く分かります。
HDR機能を使用して撮影した場合は下図の様な結果になります。
HDR機能を使用すると明暗2つの撮影設定でそれぞれ苦手だった赤枠、青枠の箇所のデータが欠落していません。
テクスチャなしの点群データ比較結果は下記の通りになります。
明るい、暗い撮影設定のデータ欠落している箇所がHDR撮影では補完されています。
この様にHDR機能を使用すれば、撮影時の姿勢の違い等によるハレーション対策に大きな効果が期待できます。
次回は点群生成方式が変わったことで点群の品質にどの様な向上があったのかご紹介します。