YCAM3Dのファームウェアアップデートで使用が可能になった新たな機能について、簡単にご説明します。
HDR機能
撮影時の環境は常に一定の状態であることが理想ですが、実際は窓からの日光、作業者起因の突発的な光源の割り込み、撮影時のワークからの反射光等、点群品質に影響与える発生する現象が発生します。この様な状況に対応するため、条件の異なる2種類の設定を元に撮影を行い、データとして使用できない箇所を補完しあうことで点群の欠落部を補うことができるようになりました。ただし、2回撮影を行う必要があるので、その分の撮影時間とデータ処理時間が増えることになります。
点群生成方式の変更
旧ファームウェアでは「位相シフトのグレイコード方式」を使用していましたが、最新ファームウェアでは「位相シフトの3位相方式」を採用しています。この方式は、「グレイコード方式」に比べ、よりワークの形状を捉える事が可能になり、ノイズの発生も抑えていることが特徴になります。「グレイコード方式」の13枚より1枚多い14枚撮影する必要がありますが、この度の最新ファームウェアでは以前の記事でお伝えした通り、撮影時間の短縮を実現しています。
ストロボ撮影機能
ライブ中にストロボ撮影(プロジェクタを瞬間的に発光させて撮影)することができる様になりました。これにより従来は弊社製品「VT(*1)」でロボットキャリブを行う際に外部照明を使用し、キャリブレーション板を照らす作業をする必要がありましたが、こちらの作業が不要になります。
また、瞬間的ではありますがプロジェクタの照射範囲が目視で分かりますので、どの範囲まで点群として生成できるか確認することにも使用できます。
*1: 3Dロボットビジョン「VT-ビジュアルティーチ」詳細は下記のURLを参照下さい。
https://www.yoods.co.jp/business/3d.html
次回は、新機能の内、HDR機能の検証結果についてご紹介します。